株式会社FMCC(Fatigue and Mental Health Check Center)

2-9:自律神経を整える生活習慣

自律神経系は、私たちの体内の特定のプロセスを調節している神経系で、意識的な努力を必要とせず、自動的(自律的)に機能します。自律神経系の病気は、体のあらゆる部分とあらゆるプロセスに影響を及ぼす可能性があります。そのため、自律神経を整える生活習慣を身につけることは、健康維持にとって非常に重要です。
以下に、自律神経を整えるための生活習慣をいくつか紹介します。

1. 十分な睡眠をとる:
睡眠は、自律神経のバランスを整えるために重要な要素です。睡眠中には、交感神経活動が抑制され、副交感神経活動が優位になります。これにより、心拍数や血圧が下がり、体がリラックスし、回復することができます。十分な睡眠をとることで、自律神経のバランスを整えることができます。

2. 適度な運動を行う:
適度な運動は、自律神経のバランスを整えるために有効です。運動をすると、一時的に交感神経活動が優位になりますが、運動後は副交感神経活動が優位になり、リラックス状態に入ります。これにより、自律神経のバランスを整えることができます。

3. バランスの良い食事をとる:
食事は、自律神経の働きに大きな影響を与えます。バランスの良い食事をとることで、体内の栄養バランスを整え、自律神経の働きをスムーズにすることができます。

4. ストレスを適切に管理する:
ストレスは、自律神経のバランスを乱す大きな要因です。ストレスを感じると、交感神経活動が優位になり、心拍数や血圧が上がります。これが長期化すると、自律神経のバランスが乱れ、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。そのため、ストレスを適切に管理することが重要です。ストレスの多い状況や緊急事態に際して体の状態を整える(闘争・逃走反応)という交感神経系の機能があります。しかし、これが長期化すると、体への負担が大きくなります。一方、副交感神経系には日常的な状況下で体内プロセスを制御するという機能があり、エネルギーを温存し、体を回復させる役割があります。ストレスを感じたときには、リラクゼーション技法を用いたり、適度な運動を行ったりすることで、副交感神経系の活動を促し、ストレスを軽減することができます。

以上の生活習慣を実践することで、自律神経のバランスを整え、健康的な生活を送ることができます。自律神経のバランスが整っていると、心身の健康が保たれ、生活の質が向上します。自律神経を整える生活習慣を身につけ、健康的な生活を送りましょう。


医師:倉恒弘彦(くらつね・ひろひこ)
プロフィール
大阪公立大学医学部客員教授として、疲労クリニカルセンターにて診療。1955年生まれ。
大阪大学大学院医学系研究科 招へい教授。
日本疲労学会理事。著書に『危ない慢性疲労』(NHK出版)ほか。

 

 

 

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