株式会社FMCC(Fatigue and Mental Health Check Center)

2-1:体の神経系の分類とその機能

体の神経系は中枢神経系と末梢神経系の2つに分類されます。それぞれの役割を以下に説明します。

1. 中枢神経系(Central Nervous System, CNS): 中枢神経系は脳と脊髄からなります。主な役割は情報処理、統合、制御です。中枢神経系は知覚(感覚情報の受容と処理)や運動(筋肉の制御)に関与し、高度な認知機能、感情、意思決定などもつかさどります。

(ア) 脳(Brain):
 頭蓋骨に収まる神経組織であり、情報の処理や認識、思考、記憶、意識などの機能を担当します。

(イ) 脊髄(Spinal Cord):
 脳から延びる神経線維の束であり、末梢神経系との連絡や反射などの制御を担当します。


2. 末梢神経系(Peripheral Nervous System, PNS): 末梢神経系は中枢神経系以外の全身の神経からなります。主な役割は中枢神経系と体の各部位との情報伝達です。

(ア) 自律神経系(Autonomic Nervous System, ANS):
 内臓器官や血管、皮膚などの制御を担当します。さらに、自律神経系は交感神経系(身体の興奮や活動を調節)と副交感神経系(身体の安静や休息を調節)に分けられます

(イ) 体性神経系(Somatic Nervous System):
 痛みなどを感じる感覚神経と、手足を動かす運動神経からなり、末梢の感覚器官からの情報を中枢神経系へ伝え、中枢神経系からの指令を筋肉へ伝える役割を担当します。

これらの神経系は連携して体の機能を制御し、内外の刺激に対する反応や体の状態の調整を行います。


図:体の神経系の分類とその機能について


医師:倉恒弘彦(くらつね・ひろひこ)
プロフィール
大阪公立大学医学部客員教授として、疲労クリニカルセンターにて診療。1955年生まれ。
大阪大学大学院医学系研究科 招へい教授。
日本疲労学会理事。著書に『危ない慢性疲労』(NHK出版)ほか。

 

 

 

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