株式会社FMCC(Fatigue and Mental Health Check Center)

2-8:運動と自律神経系の調節

1. 運動と自律神経系の関連性:
運動は自律神経系に大きな影響を与えます。心拍数、呼吸速度、発汗など、運動中の身体の反応は全て自律神経系により調節されています。適度な運動は自律神経系のバランスを整え、心身の健康を維持するのに重要な要素です。

2. 適切な運動と自律神経のバランス:
適切な運動は、自律神経のバランスを整えるのに重要です。運動中は交感神経系が活性化し、心拍数を増加させ、血圧を上げ、筋肉に必要な酸素と栄養素を供給するために血流を増加させます。これにより、体は運動に対応するためのエネルギーを得ることができます。一方、運動後のリラクゼーション期間では副交感神経系が活性化し、心拍数や呼吸速度を減少させ、消化を促進し、エネルギーを保存します。これにより、体は運動によるストレスから回復し、エネルギーを再充填することができます。

3. 運動の効果と自律神経系:
運動は心臓や筋肉の働きを改善し、血流を促進します。これにより自律神経系の働きも向上し、体の各部位への血液の供給が改善します。これは全身の健康状態を改善し、免疫系の強化にも寄与します。

4. フィジカルアクティビティーと自律神経の調整:
日常生活におけるフィジカルアクティビティー、つまり身体を動かす行為全般も自律神経系の調整に貢献します。家事や散歩などの軽度の身体活動から、ジョギングやスポーツなどの中・高強度の活動まで、これら全てが自律神経系の健康を支える要素となります。

5. 運動後のリラクゼーションと自律神経系:
運動後のリラクゼーション期間は、体が運動によるストレスから回復し、エネルギーを再充填するための重要な時間です。この期間中に副交感神経系が活性化し、心拍数や呼吸速度が減少し、体のリラクゼーションと回復を促進します。適度な運動と適切なリカバリー(回復)時間が、自律神経のバランスを保つために重要です。

身体を動かすことは、血液の循環を促進し、心臓や肺の働きを改善します。これにより自律神経系は適切に働き、身体の各部位へ必要な酸素や栄養素を運ぶことができます。これは健康的な自律神経系を保つために不可欠なプロセスです。生活の中で適度なフィジカルアクティビティーを取り入れることは、自律神経系のバランスを整えると同時に、心身の健康を維持するのに非常に重要です。


医師:倉恒弘彦(くらつね・ひろひこ)
プロフィール
大阪公立大学医学部客員教授として、疲労クリニカルセンターにて診療。1955年生まれ。
大阪大学大学院医学系研究科 招へい教授。
日本疲労学会理事。著書に『危ない慢性疲労』(NHK出版)ほか。

 

 

 

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